「減築」ということ 05

date:2007年11月30日 category:Blog, 建築コラム, 減築ということ Tags:,,

(「減築」ということ 04よりつづき)
さて、2000年から早6,7年たってみると様々なところで「減築」を見かけるようになりました。
大きなところでは東京都東久留米市のひばりが丘団地で行われるそうです。とても楽しみにしています。
減らすことによる豊かさ。
ニュアンスは少し違うけれど、
「Less is More」(ミース・ファン・デル・ローエ)なのか・・・。
表現方法は変わっても、起こることはいつも流転している感じだ。

このワークショップのダイジェストを見たいかたは、
彰国社の建築雑誌「建築文化2000年9月号」
P131~第2回減築をご覧になってみてください。

「減築」ということ 04

date:2007年10月23日 category:Blog, 建築コラム, 減築ということ Tags:,,

(「減築」ということ 03よりつづき)
「減築」という考え方に対する当時(2000年)の反響はとても様々でした。
ワークショップに参加している各大学の教授や建築家たちは「今後ひろがりがある考え方」として多大に評価してくれたのですが
一方、就職活動などでこの作品を持ち込んでも全くといっていいほど反応がない。
当時の不況や容積率一杯の設計をしている仕事においては、「減築」というマイナスイメージや容積を余らせていくようなイメージが現実レベルで捕らえにくかったのだろうと思います。
言葉は時代背景をベースに造られ利用されていくので、「減築」という今のブームは「好況」を示していると考えてもよさそうです。
このキーワードを生み出す最大の難しさは、例えていうならば「不況のときに、好況をイメージする」ことでした。
バブル時代に不況を想定して手を打っておく。
不況のときに、好況へ向けての準備をする。
これはハタケと一緒で、季節を先取りして措置をとらないと次の季節に収穫ができません。
これがなかなか難しい。

つづく

このワークショップのダイジェストを見たいかたは、
彰国社の建築雑誌「建築文化2000年9月号」
P131~第2回減築をご覧になってみてください。

「減築」ということ 03

date:2007年10月14日 category:Blog, 建築コラム, 減築ということ Tags:,,

(「減築」ということ 02よりつづき)
新しい言葉は、既存にあるものを異なるステージに置き換えることが可能となります。
ごみはゴミ箱の中にあればタダのごみですが、処理場というあらたな環境に置くことで「資源」に生まれ変わります。
また、畑に生っているトウモロコシも、環境が変わるとバイオガソリンになる。
こんな風に、そのものが置かれた状況(ステージ)を見直すことで価値を再評価することができます。
その時に必要なのが「キーワード」です。
新たな価値を見出すには、その価値を表現するための「新しい言葉」が必要になります。
そういう意味でも、「減築」という言葉は既存の建築を再評価するときのひとつの尺度としてとても意味がある言葉になりつつあります。

つづく

このワークショップのダイジェストを見たいかたは、
彰国社の建築雑誌「建築文化2000年9月号」
P131~第2回減築をご覧になってみてください。

「減築」ということ 02

date:2007年10月10日 category:Blog, 建築コラム, 減築ということ Tags:,,

(「減築」ということ 01よりつづき)
「減築」とは、平たく言うと、「不要と思われるものを各自で出しあって、みんなに有効になるように再配分・還元する」という考え方です。
この考え方は、大雑把に次の二つのモデルケースに注目することから導き出しました。

  • 1.容積率目一杯の経済空間に関して
  • 2.農村部における「結」のシステム

1については現状を見るとおりに、販売メリットとしては価値を有するものの、生活空間としての豊かさや外部空間に対する街区・都市的景観や文化の価値創造に欠けている部分があることなどが上げられます。
一方で2については、農耕民族である日本人が「生活の中で」生み出した相互扶助の考え方が建築的に可能ではないだろうか、ということです。
「建築の空間」と「生活の中で育まれた自然な感情から生まれるシステム」をうまく掛け合わすことで「減築」という考え方が成立すると考えたわけです。

つづく

このワークショップのダイジェストを見たいかたは、
彰国社の建築雑誌「建築文化2000年9月号」
P131~第2回減築をご覧になってみてください。

「減築」ということ 01

date:2007年10月08日 category:Blog, 建築コラム, 減築ということ Tags:,,

今回は「減築」というキーワードにまつわる話をしようと思います。
近年、新聞や建築界で「減築」というキーワードがよく出てきます。
インターネットで検索すると様々なメディアで取り上げられていますのでご存知の方も多いはず。
僕がこのキーワードに深く関わったのは、1999年(当時大学院1年生)でした。
1999年5月、インターユニバーシティー・ワークショップという企画に参加したときのことです。
この企画はあるテーマに対して参加大学が提案をし討論をするという企画で、最終的には、彰国社の建築雑誌「建築文化2000年8月号」から毎月各大学の提案を紹介していただける機会を得たものです。
このワークショップの基幹テーマは「社会資本としての都市住宅構想」でした。
1999年、つまり世紀末に「社会資本」としての建築のありようを問う、というテーマはとても新鮮で、そして21世紀に向けての建築業界の方向性としても意味のある深いテーマであったことを覚えています。
当時、都市の建築はスクラップ&ビルドを繰り返し、供給過剰と思われるマンションや建売住宅が林立しながらも日本経済は低迷期を抜け出せずにいるという、閉塞感漂う時代背景がありました。
就職活動も今のようの売り手市場ではなく完全に買い手市場。
そのような中で「社会資本としてのストックを再定義・再評価し、その資本を再配分するシステム」という視点から「減築」というキーワードを打ち出しました。

つづく

このワークショップのダイジェストを見たいかたは、
彰国社の建築雑誌「建築文化2000年9月号」
P131~第2回減築をご覧になってみてください。